総論

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当クリニックは、「うつ病」を代表とする気分障害の治療とリハビリテーションを専門に行っている心療内科専門医療機関です。

当クリニックで治療を進めていく上では、患者さんご自身の病気に対する理解と、協力が欠かせません。

「こころの病気」とか「メンタル不調」など、一見つかみどころの無い事象を扱うわけですから、私たち治療者と患者さんとが、疾患を理解する上で同じ視点に立つ事が大切です。

では「病気」を理解する上で、どのような点に注意を払う必要があるのでしょうか。

理解を十分に深めるために、病気 を「 疾患 」と「 病い 」 とに分けて考えてみることにしましょう。

「 疾患 」disease とは、医療専門職が医学モデルにしたがって、医学的な診断基準によって分類してとらえるものです。

いわば「外則」から、科学的・論理的な思考により描き出されるものと言えます。

「 病い 」illness とは、当事者である患者・家族などによって経験された個別的・主観的なものです。

いわば個人の「内側」から、物語的思考によって生み出され、体験されるものです。

そこには病いを経験している「人」がそれぞれに考える“原因” や“意味“ があります。そしてそれは、当事者の生育史や生活環境、生きている社会や文化とも重なります。
従って、同じ疾患を持っていても、個々の患者さんの「病いの経験」はそれぞれに異なっているものです。

【A】病い
患者さんや家族などの当事者によっていわば「内側」から経験された
"emic “で個別的なもの物語的思考モード
障害の経験描写サイコソーシャル な視点 (物語的推論)

【B】疾患
医学モデルに従って、いわば外則から再構成された"etic"で範疇的なもの
科学-論理的思考モード
個別性をこえ抽象化を求めるバイオメディカル な視点 ( 科学-論理的推論)

【A】【B】のいずれの視点も大切です。どちらもがこころの病気の理解には欠かせないものです。

【B】ばかりだと患者さんには、十分に自分の辛さがわかって貰えないという印象が残るかもしれませんし、【A】だけだと同じところを患者さんと治療者が逡巡して目的を見失ってしまうことにもなりかねません。

A 、B 両方の視点を持つことが大切です。

しかし、「復職」という、「期限内に設けられた一定のハードルを越えること」のためには有機的にプログラムされた効率的な治療を行い、結果をスピーディかつタイムリーに示して行くことが求められます。

患者さんや御家族は、病気になった原因が一体どこにあるのか、環境に問題はなかったのかと、つい犯人探しばかりをしてしまうものですが、こればかり続けていてはいくら時間があったとしても「復職」というゴール(スタートかもしれませんが)には到達しえないでしょう。

診断がついたら、後は目標を立てて、その目標を見失わず一つ一つの課題をクリアして行くようにプログラムに取り組むことが大切です。

つまり、病気の輪郭を理解する上では【A】サイコソーシャルモデルでの共感、理解が不可欠ですが、その後は【B】バイオメディカルモデルに基づく診断、治療、リハビリテーションを行っていく方がより目標を明確化できますし、効率的に治療ゴールへ到達できそうだと考えます。

次にバイオメディカルモデルでの疾病理解についてと、当クリニックでの治療やリハビリテーションの進め方について御説明したいと思います。

以下、当クリニックにおいて治療方針を組み立てていく上での基本的な考え方について述べていきます。

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